
概要
幅広フレームに対応し、LED、ディスクリート生産に適した高速ワイヤボンダ
特長
- X、Y、Zモータを一新し高速ボンディング
42ms/0.7mm(45ms/2mm)を実現したプラットフォーム - ボンディング精度±3.0μm(3σ)を実現
- Yボンディングエリア95mmを確保し、102mm×300mmのフレーム搬送が可能
- X方向同時検出、Y方向同時検出に対応
- Cuキットの追加でCuワイヤに対応(オプション)
使用例
細い鎖でつなぐ
Capillary Wedge Bonding (CWB)
NANDフラッシュメモリは、USBメモリからクラウドサーバまで記録媒体として広く利用されており、大容量化のために多数のダイを重ねてボンディングされる。多段に重ねたダイの信号は、ワイヤボンディングされた金属細線によって伝達される。一般的に、段数分のボンディングとワイヤの切断を繰り返す手間のかかる作業となっており、生産性向上のボトルネックとなっていた。
これに対し新川では、ワイヤの切断を行わず、一気に多段接続を可能にするCapillary Wedge Bonding (CWB)技術を開発した。本技術により、圧倒的はタクト短縮が見込めるため、新川としては広くお客様にご利用頂けるよう、本技術の改善を続けている。

「つなぐ」から「つくる」へ
電子部品製作機器としてのワイヤボンダ
ワイヤボンダは、電気信号を伝えるワイヤをつなぐための装置として活躍しているが、さらなる発展が可能である。
数々の『つなぐ』経験から、ワイヤを自在に操ることが可能となっており、これを活用すれば電子部品の重要なパーツであるコイルの作成などの電子部品制作装置への進化を遂げることができる。たとえば、特定の定数を持つコイルの生成や回路の調整のための補足的なコイルの作成を行える。
新川では、ワイヤボンダ技術をベースとした新たな試みにこれからも挑み続ける。

BIM:Bond Inspection Measurement
(接合ボール位置検出機能)
BIMは、ボンディング後の画像からボンディング位置のずれ量を算出し、ボンディング位置を補正する機能である。ボンディング時の各種変動による位置ズレをリアルタイムに修正し、ボンディング精度の安定化を図る。

FAM :Free Air ball Measurement
(初期ボール自動監視機能)
FAMは、ワイヤボンディングの初期ボール の径や形状をモニタリングすることにより、初期ボール形状を安定化させる新川の独自機能である。検出には、Reference Positioning System (RPS) という、キャピラリ先端位置を撮像する機能を活用している。UTC-5000シリーズの高信頼性ボンディングを支える機能となっている。

製品スペック
項目 | 内容 |
---|---|
品名 | ワイヤボンダ |
型式 | UTC-5100 |
ボンディング精度 | ±3.0μm(3σ)(試料および温度条件による) |
ボンディングスピード | 42ms/0.7mmワイヤ(45ms/2mmワイヤ) (ループコントロールあり。荷重検出モード使用時)当社標準サンプルによる |
ボンディングワイヤ長 | 最大4 mm(デバイスの条件により変わる) |
制御分解能分解能 | XYテーブル:0.1μm, Z軸:0.1μm |
振動抑制方式 | Shinkawa NRSによる無反動サーボシステム |
ボンディングエリア | X:66mm-カメラオフセット, Y:95mm-カメラオフセット |
ワイヤ径 | 金線 φ18~50μm |
ボンド荷重 | 3~1,000gf |
ボンディングワイヤ数 | 最大12,000ワイヤ |
ローダー/アンローダ | フルオートマガジンスタッカ方式(オプションでストッカ方式選択可能) |
ワークサイズ | 幅 20~102mm 長さ 95~300mm 厚さ 0.1~0.5mm(ワークの種類により異なる) (ワークの厚さを変更する際、部品変更が必要な場合がる) |
生産管理 | 生産管理画面による稼働率管理他 |
オプション | 通信インタフェース SECS I/SECS II、HSMS、GEM |
駆動源 | 入力電源 単相 AC100V±5% 50/60Hz (その他の電圧はトランスが必要) 消費電力 約1.2kVA(1.1kW) エアー 500kPa(5kgf/cm2)102L/min 真空 -74kPa(-550mmHg)以下 (ゲージ圧) |
装置寸法及び質量 | 1,244W × 964D × 2,092H mm 約520kg |
※ 性能改良のため、外観及び仕様の一部を変更することがありますのでご了承下さい。